チームウェアを初めて作る人向けに、発注前に押さえておきたい実務ポイントを1つにまとめました。

1. 最初に決める3つのこと(枚数・予算・納期)

業者を選ぶ前に、次の3つを決めておくと以降の工程がスムーズになります。

  • 枚数:まず何枚必要かを確定させます。多くの業者は枚数で単価が大きく変わります。
  • 予算:1枚あたりの予算を決めます。プリント方法によって価格帯が変わります。
  • 納期:イベント当日から逆算して、余裕を持った納期を設定します。

2. プリント方法の選び方

プリント方法は主に「シルクスクリーン」「インクジェット(DTG)」「転写」の3つに分かれます。

シルクスクリーンは、デザインごとに版を作り生地に直接インクを刷り込む方式です。同じデザインをまとまった枚数刷る場合は単価が下がりやすい一方、版代がかかるため少ない枚数だと割高になりやすく、色数が増えるほど費用も上がる傾向があります。

インクジェット(DTG)は版を作る必要がなく、小ロットやグラデーション・写真素材のような色数の多いデザインに向きます。版代がかからない分、少数枚でも注文しやすい一方、1枚あたりの単価はシルクスクリーンより高くなりやすい方式です。

転写は、名前・背番号・個人ごとのゼッケン番号など、1枚ずつ内容を変えたい場合に扱いやすい方式です。

選ぶ際は、枚数(多いほどシルクスクリーンが有利になりやすい)・色数やデザインの複雑さ(多いほどインクジェットが向く)・個別カスタマイズの有無(名前や番号を個別に変えるなら転写を検討)の3点を整理すると判断しやすくなります。1枚のウェアに複数方式を組み合わせられる場合もあるため、見積り時に相談してみるとよいでしょう。

3. サイズ選び

サイズ選びでよくある失敗は、普段着ているサイズ感で注文し、届いた実物が想定と違うというものです。S・M・L等の表記はブランドや商品によって基準がまちまちなため、注文前に「サイズ表の実寸(身幅・着丈・肩幅)」を確認することが基本になります。

確認手順は次の3つです。

  1. 着心地がちょうど良い、手持ちのTシャツを1枚用意する
  2. その身幅(脇の下から脇の下までの幅)と着丈(襟の付け根から裾までの長さ)を測る
  3. 注文するサイズ表の実寸と照らし合わせる

迷った場合は1サイズ上を選ぶのが安全です。小さすぎるサイズは体型によっては着られず代替がきかない一方、大きめのサイズは丈を出す・重ね着をするなど調整の余地があるためです。人数が多いチームでは、実寸表を全員に共有し、体格差のあるメンバーには個別にサイズ確認を依頼する工程を挟むと、当日のトラブルを減らせます。子ども向けのウェアは大人用とは別の基準になっていることが多いため、対象年齢や身長の目安が記載された専用のサイズ表を確認しましょう。

4. 入稿データの準備

入稿データの準備が不十分だと、プリントし直しになったり、想定と違う仕上がりになったりすることがあります。入稿前には次の3点を確認しましょう。

解像度:印刷サイズまで拡大すると、解像度不足により輪郭がぼやけたりジャギーが出たりすることがあります。SNSからダウンロードした画像やWebページ用に圧縮された画像は解像度が低いことが多く、注意が必要です。可能であれば、拡大しても輪郭が崩れないベクター形式で用意すると安心です。

色数とプリント方法の相性:シルクスクリーンは色ごとに版を作るため色数が増えると費用や工程が増える一方、インクジェットは色数の制限が少なくグラデーションも比較的再現しやすい方式です。どのプリント方法を使うか先に把握しておくと、想定していた費用や仕上がりとのズレを防ぎやすくなります。

著作権・ロゴ使用:市販のキャラクターやアニメ・ゲームのイラスト、企業ロゴやスポーツチームのエンブレム、有料フォントの用途外使用などは、権利者の許諾が必要になることがあります。「学校行事だから」「非売品だから」といった理由だけでは、著作権の許諾なしに使用してよいことにはなりません。オリジナルデザインを基本としつつ、既存の素材を使いたい場合は、事前に権利関係を確認するか業者に相談することをおすすめします。

5. 納期の逆算

チームウェアの発注で最も避けたい失敗は、イベント当日に間に合わないことです。発注は「イベント当日から逆算して、余裕を持った締切を設定する」ことが基本になります。逆算する工程は次の4つです。

  1. 納品〜当日までの余裕:配送遅延や検品の時間を見込む
  2. 製造・発送にかかる日数:業者ごとに公式サイトで案内している納期目安(発注確定後の日数であることが多い)
  3. 入稿データの準備・確認:デザイン修正のやり取りにかかる時間
  4. サイズ・枚数の確定:メンバー全員のサイズと人数の集約にかかる時間

卒業式・入学式のシーズンや、運動会・文化祭が集中する時期は、多くの業者で注文が増え、通常より納期が延びることがあります。イベントの時期があらかじめ分かっている場合は、繁忙期にあたるかどうかを早めに確認し、通常より前倒しで動き出すことをおすすめします。

実務上もっとも遅れの原因になりやすいのは、「メンバー全員のサイズと枚数がなかなか集まらない」工程です。あらかじめ「いつまでに回答がなければ標準サイズで確定する」といった締切ルールを決めておくと、確定作業の遅れを防ぎやすくなります。